陸上未経験のサブスリー挑戦

川内優輝選手の走りに感動して、2018年1月よりマラソンの練習を始めました。マラソン3:04(2020勝田)

憧れの山野井泰史さん

f:id:hachirun:20201230115952j:plain

10キロ閾値走(avg.4:04)+1キロを行いました。
水曜日としては久しぶりのロードで、雨上がりの冬の草の匂いが心地良かったです。
後半5キロ、ドリルを意識したら、ピッチが185を超えて、ペースアップできました。

桜木ではありませんが、

「脚は添えるだけ」

なのかもしれません。マラソンの場合は。

苦しくなると踏み脚にどうしても意識がいってしまいますが、腕の振り上げと腿上げを無意識に連動できるようになりたいです。



さて、エナジークライム浦和でボルダリングを始めました。

http://www7a.biglobe.ne.jp/~energy/gym/urawa.html

お試こーすで、オーナーの綿引さんに教えてもらい、
とても楽しかったです。
ラソンと共通点があるなと感じました。


ラソンは脚が終わらないように、苦しくなり過ぎないようにマネジメントするスポーツで、クライミングは腕(握力)が終わらないように、頭を使って身体をマネジメントする。

自分の能力を使い切って達成できたとき、最大の悦びを感じられるなんて、最高です!!

子供たちも後日連れて行って体験しましたが、とても楽しんでいて「やりたい!!」と言っていました。




綿引さんに、
「山野井さんを知って、登山(アルパインとロッククライミング)に興味があるんです」

と伝えたら、

「山野井君ね。もちろん知ってるよ。うちにも遊びに来たよ。指がある時に」

と。


憧れの山野井さんが、少しだけ近くに感じ、垂直の記憶を再読しました。


私が今まで読んだ中で、断トツで影響を受けた本です。
何年振りかに再読しましたが、感動して、凄くやる気が出ました。


山野井さんの文章からは、人柄が滲み出ています。


素直て、
冷静で、
情熱的で、
おごりや見栄、
弱さや自信、
希望と執念、
謙虚と傲慢、


全ての感情が、スッと入ってきます。


鬼滅の刃の作者も、山野井さんに影響受けてるのではないかと、密かに思っています。


垂直の記憶、ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。


チョ・オユー8000mを超える地点での、斜度70-80度の脆い岩壁を、手袋をしていたら崩れるかどうか分からないので、素手になってロッククライミング。ミスったら2000m滑落確定。

最後は素手を雪壁に突っ込んでⅣ級クリア。酸欠で数分目が見えなくなる。力を振り絞るために、奇声を上げながら登頂。


アマ・ダブラムでは、傾斜65度のツルツルで、ガラスのように割れる薄い氷が張った岩を、わずかにひっかかるアイスバルとアイゼンで体を移動させる。
バランスを崩したら地獄行き。
露出感のある氷壁と体を繋ぎとめているのは、集中力のみ。

その後も、一つ一つ困難を冷静な判断と技術で乗り越える。


何と言っても有名なのは、奥さん(一流登山家)と登ったギャチュン・カン。

登頂までもかなり困難があるも、本当の困難は悪天候になり、雪が降り始めた下山時に。


日の当たらないマイナス40℃にもなる7200メートル地点の70度の岩壁で夜を過ごすことに。
雪崩の巣窟となり、何度も頭上から雪が落ちる。
10センチ足らずの足場にお尻の半分を引っかけて、テントを被って一晩雪崩の衝撃に耐え続ける。


降下を続けた次の日の夕暮れ、大きな雪崩が直撃し、山野井さんの目が見えなくなってしまう。
降りるためには、垂直の壁にロープを通す支点となるピトンを打たないといけない。でも岩の割れ目が見つからないし、目も見えない。

「無くなっても良い指はどの指か」

凍傷を覚悟してグローブを取り、左手小指で岩壁をなぞる。感覚が無くなったら右手の小指。
口に含んで暖めて、感覚が無くなったら次は左手の薬指。

ピトンを打っても打っても、岩に跳ね返され、一つの下降点を作るのに1時間以上。

夜になってようやく雪崩で別々になってしまった奥さんと合流。
奥さんは山野井さんを待っている間、氷を数時間蹴り続け、足を横に置ける5センチのテラスを削り出す。ただ、5センチほどの足場では一晩保たない。休めない。
今度は支点にロープをかけ、ブランコのようにして座り、マイナス40℃でもう一晩。


山を降りてから、更なる絶望が。

6日振りに安全な地面で横になって休め、チョコレートをひとかけらと、ミルク紅茶を一杯。そこで燃料も底を尽く。
ベースキャンプへ向かおうにも、何日も痛めつけられた身体は、数歩ごとに座り込まないと進めない。今日中に8キロ先のベースキャップに辿り着けると踏んで、10キロある食料などが入ったリュックを捨てる。担いでいたら、そもそも歩けない。

奥さんは、5日以上ほとんど何も口にしていない体から、胃液だけを吐き続ける。
午前2時。月明かりも無くなり、ベースキャンプに辿り着けないことが確定。テントも重いので途中で捨ててきたので、着の身着のまま、野ざらしで一晩。
2人で抱き合いながら、ガタガタ体を震わせ、内臓まで冷え切り、涙を流しながら胃液を吐く。そして

「最後かも」

と、お互いで写真を撮る。


その写真も見ることができる、今もなお、挑戦する山野井さんの名著です。
ギャチュンカンを沢木さんが書いた凍も名作です。



好きなことを、好きだから続ける、世界的に認知された、日本人クライマー。

人柄が素敵で、こんなふうに謙虚に自信を持って、生きたいです。

熊に襲われて大怪我したエピソードなんかも、ぜひ調べてみて下さい!


にほんブログ村 その他スポーツブログ マラソン(サブスリー)へ
にほんブログ村